犬種の中でも最も万能なワーキングドックとして知られ、日本では警察犬や災害救助犬として有名なジャーマン・シェパード・ドック。高い知能を持ち、大型犬で機敏、勇敢で忠実なジャーマン・シェパード・ドッグは多岐にわたる分野で活躍しています。そのためジャーマン・シェパード・ドックは世界中の国々で人気のある犬種の一つとなっています。しかし、他の犬種と同じようにジャーマン・シェパード・ドッグにもかかりやすい健康問題があります。すべてのジャーマン・シェパード・ドッグが病気をかかえてしまうわけではありませんが、ジャーマン・シェパード・ドッグがかかりやすい健康上のリスクをお話していきます。
この記事の目次
- 胃拡張・胃捻転とは?(Gastric Dilatation-Volvulus: GDV)
- ジャーマン・シェパード・ドッグの変形性関節症とは?(Osteoarthritis)
- ジャーマン・シェパード・ドッグの肘関節形成不全とは? (Elbow dysplasia)
- ジャーマン・シェパード・ドッグの股関節異形成症 とは?(Hip dysplasia)

胃拡張・胃捻転(Gastric Dilatation-Volvulus: GDV)はとは?
ブロートとも言われる胃拡張・胃捻転(GDV) は、動物病院で緊急を要する可能性がある深刻な病気です。 ジャーマン・シェパード・ドッグもこれらの病気にかかりやすい犬種のひとつです。短時間で重篤な状態に陥る可能性があり、緊急の治療が必要です。
胃拡張の胃の膨らみは空気や食事の消化不良が原因となることがあります。胃が膨張したままの状態が続くと血液の循環が妨げられ、重篤な状態を引き起こす可能性があります。胃捻転は胃拡張の進行状態であり、胃が膨らんだ状態で回転してしまう病気です。胃がひっくり返ると、脾臓と膵臓が一緒に引っ張られ血流が遮断し心臓に悪影響を及ぼし突然停止してしまうこともあります。胃捻転は愛犬の生命を脅かす可能性がある深刻な病気です。一般的には胃拡張よりも緊急的な治療が必要とされています。これらの病気にかかりやすいのは、深胸部の犬種や大型犬がよりリスクが高いとされおり、その体格からジャーマン・シェパード・ドッグも胃拡張・胃捻転にかかりやすいとされています。
AKC(American Kennel Club)によると、胃拡張・胃捻転は、極めて迅速な治療を行っても、発症した犬の約30%が命を落としてしまう」と書かれています。飼い主として最も重要なことは、病気の症状を理解し、かかりやすいとされるジャーマン・シェパード・ドッグのために迅速に動物病院を受診することです。この症状は緊急であり家庭で対処できないので、早急に獣医師に連絡し、病院で適切な治療を受けるために愛犬のジャーマン・シェパード・ドッグを動物病院に連れていきましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグの胃拡張・胃捻転(GDV)の原因は?
遺伝的な要因も重要な要素のひとつですが、ジャーマン・シェパード・ドッグにおける胃拡張・胃捻転の要因のひとつには、一度に大量の乾燥したフードを食べると、それが胃で膨張することで起こる可能性があります。また、食事の直後に激しい運動を行うこともリスクを高めますので、食後は休息するようにしましょう。
ここからはジャーマン・シェパード・ドッグにおける胃拡張・胃捻転の要因を紹介します。
- 一日一食の食習慣: 1日に1回ボリュームのある食事は、数回に分けて与えるよりも胃拡張・胃捻転を引き起こしやすいといわれています。
- 早食い: 早食いのジャーマン・シェパード・ドッグは胃拡張・胃捻転の原因となる可能性があるためゆっくり食べる環境を作ってあげましょう。(例:スローフィーディングボウルをつかう)
- 固形食だけのごはん:固形のごはんだけでなく、水分やウェットフードと一緒に混ぜて与えましょう。
- 充分な水分補給ができていない
- 愛犬の年齢:7歳以上のジャーマン・シェパード・ドッグはリスクが高くなり、年齢を重ねるごとにリスクも高くなるといわれています。
- 食事直後に運動する
- ストレスや不安感
など
ジャーマン・シェパード・ドッグの胃拡張・胃捻転(GDV)どうすればわかりますか?
繰り返しになりますが、ジャーマン・シェパード・ドッグの胃拡張・胃捻転のサインや症状を知ることは大切です。胃拡張・胃捻転は命にかかわる病気なので、愛犬を救うためにもどんな兆候や症状があるのかを確認しておきましょう。
ジャーマン・シェパード・ドッグの胃拡張・胃捻転の最も分かりやすいサインは、おなかの膨張かもしれません。その他には、嘔吐がうまくできない、落ち着きがなく、じっとしていない、呼吸が荒くなる、ぐったりする、口から泡を吹くなどがあります。これらの症状は、進行状態によって、重篤であったり軽度であったりします。
胃拡張・胃捻転の初期症状
- 腹部が膨らみ硬くなる
- 空吐き、嘔吐がうまくいかない
- 呼吸が荒くパンティングを継続的に行う
- 大量によだれがでる
- 苦痛を訴えるような声をだす
- 背中を丸めて伸ばすことを繰り返す
- お腹を触られることに過敏に反応する
胃拡張・胃捻転が進行した場合の症状
- 衰弱により立ち上がることが困難になり倒れてしまう
- 急速な呼吸困難
- 心拍数が高い
- 歯茎が青白くなる
- 意識喪失
どのようなケースでも胃拡張・胃捻転は緊急事態ですので、犬が胃拡張・胃捻転の症状を示す場合、迅速に獣医師に連絡し、適切な治療を受けることが重要です。

ジャーマン・シェパード・ドッグの変形性関節症とは?(Osteoarthritis)
変形性関節症は、犬によく見られる問題ですが、特にシニア犬や大型犬で多く見られます。変形性関節症はどんな犬種でもかかる可能性がありますが、ラブラドール·レトリバー、ゴールデンレトリバー、ジャーマン·シェパード·ドッグのような大型犬は関節への負担が大きいため、リスクが高いとされています。また、変形性関節症の発症には、肥満、加齢、ケガ、遺伝など、いくつかの要因があります。そのため、関節の軟骨に損傷や劣化が生じ、痛み、腫れ、可動域の減少を引き起こします。
変形性関節症を治療する方法はありますか?
変形性関節症は進行性の疾患であり完治する方法は分かっていません。そのため、食事や運動、関節をサポートするサプリメントの使用によって変形性関節症の発症を予防することが、、愛犬の関節を健康に維持するための最良の方法です。変形性関節症が発症した場合、一般的には痛みをコントロールし、炎症の軽減、生活の質を向上、病気の進行を遅らせることに重点を置いた治療が行われます。

ジャーマン・シェパード・ドッグの肘関節形成不全とは? (Elbow dysplasia)
肘関節形成不全は、関節の発達や形成に問題が生じ、関節の不安定性や異常な摩擦が引き起こされることで炎症や変性が進行します。 そのため、前肢を動かすたびに痛みが生じ、やがて関節炎を引き起こすこともあります。
この症状はどの年齢でも現れる可能性がありますが、早ければ生後4ヶ月くらいから現れる可能性があります。
肘関節形成不全になりやすい犬種は以下の通りです。
- ゴールデンレトリーバー
- ラブラドール・レトリーバー
- イングリッシュ・セッター
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- ロットワイラー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- チャウチャウ
- チャイニーズ・シャーペイ
- ニューファンドランド
肘関節形成不全の症状を発見する方法はありますか?
ジャーマンシェパードが肘関節形成不全かどうかを調べるには、いくつかの方法があります。PDSA によると、犬の肘関節形成不全の最も一般的な症状は次のとおりです。
- 足を引きずったり、こわばったりする(通常、運動後に悪化するため、両肘に障害がある場合は発見が難しい)
- 散歩や遊びにあまり行きたがらない
- 前足が外を向く、または肘が変な角度になる
- 肘が腫れる(重症の場合)
ジャーマン・シェパード・ドッグの股関節異形成症 (Hip dysplasia)とは?
ジャーマン·シェパード·ドッグは、遺伝的に股関節異形成症の問題を抱える傾向がある犬種のひとつです。遺伝的な傾向が強く関与していますが、生活環境の要因も病気の進行に影響を与えることがあります。 症状としては「バニーホップ」歩行、足を引きずる、後足の可能域の減少などがあげられます。症状は軽度なものから強い痛みを伴うものまで様々で、中には車椅子を使用しなければならないジャーマン·シェパード·ドッグもいます。 The Orthopedic Foundation for Animalsによると、19.8%のジャーマン·シェパード·ドッグが股関節形成不全を患っていると言います。
ジャーマン·シェパード·ドッグのその他の股関節の問題
- 退行性骨髄症:神経系の疾患で、脊髄と筋力や運動制御に影響を及ぼし、数ヵ月以内に後足が麻痺に至ります。
- 犬の筋無力症:神経と筋肉の間の信号伝達障害で、進行性の筋力低下、軽い運動で疲労を感じる珍しい神経筋疾患です。
他にホックウォーキングなど。
ジャーマン·シェパード·ドッグでは一般的に股関節と後肢の問題がみられることがあります。このような症状がある場合は、かかりつけの獣医さんに相談してください。
股関節異形成症の症状を発見する方法はありますか?
PDSA によると、犬の股関節異形成症の最も一般的な症状は次のとおりです。
- バニーホッピング: (うさぎみたいな歩き方)
- 足を引きずる·跛行する
- 体が硬い
- 起き上がったり、横になったりするのが難しい
- 腰の痛み
- ふらふらとした歩き方
- ジャンプができない、階段の上り下りができない
- 散歩に行きたがらない、運動を嫌がる
変形性関節症、肘関節形成不全、股関節異形成症は、いずれも犬の関節に関連する疾患です。
変形性関節症(Osteoarthritis)は、関節軟骨の劣化や関節組織の変化により、慢性的な関節炎症と関節の機能低下が引き起こされる疾患、肘関節形成不全(Elbow Dysplasia)は、 肘関節の発育不全や異常な形成によって引き起こされる疾患、股関節異形成症(Hip Dysplasia)は、股関節の正常な形状や機能を持たない状態というようにそれぞれが異なる関節や部位に関与し、異なる症状を引き起こします。
ジャーマン·シェパード·ドッグがかかりやすいさまざまな病気について調べてみました。もし、あなたの愛犬にこれらの症状がみられたら獣医さんに相談しましょう。
気を付けてあげたい健康リスクはしっかり知っておきたいものですが、それを気にしすぎてストレスになるのは禁物です。ジャーマン·シェパード·ドッグだからといってあなたの愛犬にこうした病気が現れるとは限らないものです。それとなく気にしつつ、愛犬と過ごす毎日を楽しみましょう。
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