鼻が短い犬のことを「短頭種」といいます。遺伝子の変異によって頭蓋骨の成長方法が変わった結果、短頭種の犬の頭蓋骨は幅広く、短くなりました。この変異は、平たい顔をした犬種からそこまで特長が明らかではない犬種まで、多くの短頭種の犬に現れる可能性があります。
短頭種の例として以下のような犬種が挙げられます:
短い鼻をした顔は可愛らしいですが、鼻が短いことに由来する健康問題に私たちは気を付ける必要があります。

1. 短頭種の犬達の健康問題:短頭種症候群
短頭種の犬の代表的な健康問題の一つが呼吸です。短頭種の犬のほとんどが、呼吸器系の健康問題を発症するリスクを持っています。短頭種の犬は、軟口蓋・鼻の軟骨・舌のバランスが悪く、気道の開口部が狭いため、呼吸に支障をきたす可能性があります。呼吸が追いつかなくなるような状況は短頭種の犬にとって危険です。そのため、愛犬と一緒に激しい運動をする際にはよく気を付けてあげてください。
2. 短頭種の犬達の健康問題:歯のトラブル
短頭種の中には、歯のトラブルに悩まされる犬種もいます。他の犬種と同じ数の歯があるのに、口内が狭いため歯のトラブルが起きやすくなるのです。このような犬のマズルは短く、歯はお互いに覆いかぶさるように生えています。そのため、他の歯のリスクに加えて歯垢や歯石のリスクも高くなります。

3. 短頭種の犬達の健康問題:目のトラブル
短頭種の犬の代表的な健康問題のもう一つが、目の負傷です。短頭種の犬の頭蓋骨は極端に平たいために眼球が眼孔にきちんと収まらず、目を怪我するリスクが高くなります。また、瞼がしっかりと閉じないため、目が刺激を受けて乾きがちになります。犬種によっては、目が眼孔から飛び出てしまうリスクすらもあります。
4. 短頭種の犬達の健康問題:皮膚のトラブル
短頭種の中には、他の犬種に比べて皮膚の感染症や炎症がよく見られる犬種がいます。皮膚のひだが多くしわの多い犬は、皮膚のトラブルに悩まされやすいです。皮膚のひだには湿気がたまるため、イースト菌やバクテリアが繁殖しやすくなり、皮膚に溜まった分泌物はバクテリアの餌になります。皮膚のひだがバクテリアが繁殖する理想的な環境になってしまうのです。さらに、これらの微生物が皮膚の炎症や感染症を引き起こす可能性もあります。
定期的に皮膚を清潔にお手入れしてあげないと、愛犬が皮膚の感染症にかかるリスクは高くなります。感染症は犬にとって苦痛で悩ましいものです。短頭種の愛犬と暮らしている方は、皮膚のひだを清潔に保ち、湿気がたまりすぎないようにしてあげてください。もし、愛犬に皮膚のトラブルがある場合は、オメガ3脂肪酸と抗酸化成分を持つハーブをたっぷりとあげてください。定期的なファスティングやクレンズもおすすめです。

5. 短頭種の犬達の健康問題:おわりに
フレンチブルドッグやパグをはじめ、短頭種はとても可愛らしいワンちゃんです。しかし、可愛らしい顔に隠れた健康問題があるということも、私たちはしっかり理解しておく必要があります。運動をする時には十分に注意し、皮膚・肺・目をサポートする健康的な食事を心がけましょう。