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肝臓がなぜ臓器の中で一番大きな臓器なのか、みなさんは考えたことがあるでしょうか? 人間にとっても犬にとっても、肝臓は身体の中でいちばん大切な臓器の一つです。犬の肝臓病は慢性のものから肝臓癌まで様々ですが、毒素が蔓延する現代社会の構造からも肝臓病を患う犬は非常に多いですし、パフィーズでもお客様からよくご相談をいただきます。現代の環境で犬の健康を保つためになぜクレンズが特に重要かについてはこれまでもお話してきましたが、ここでは犬の肝臓だけに焦点を当ててお話ししたいと思います。
1. なぜ犬の肝臓の健康は大切なのか
肝臓は非常に複雑な臓器で、代謝や胆汁の製造を担っています。さらに、クレンズに関して言えば、血液をきれいにするフィルターの役目があり解毒を担当します。ところが、この解毒の過程で肝臓はダメージ(損傷)を受けるのです。例えば農薬のような毒素を分解すると肝臓はダメージを受けます。分解しなければならない毒素の量が多ければ多いほど、肝臓の再生には時間がかかります。
肝臓はダメージを受ける臓器と言っても、心配する必要はありません。ダメージを受ける役割を担っているからこそ、肝臓は身体の中で唯一再生する臓器なのです。ただし、これが私たちが犬にヘルシーな食事をさせることが大切な理由でもあります。
1) コラム ~犬の肝臓病のサイン~
食欲低下、体重の減少、慢性的で不規則な嘔吐や下痢など、犬の肝臓病のサインは体調不良と見分けがつきにくいものも多くなっています。肝臓病の場合は下痢に比べると嘔吐の方がよく見られます。また、水を飲む量やオシッコの回数が増えるなども初期のサインの一つです。心配だと判断したら、まずは獣医さんで診断してもらうことをお勧めします。
2. 犬の肝臓について理解しよう
肝臓は脊椎動物だけにある臓器で、その機能はほ乳類ではほぼすべての動物において共通しています。人間の肝臓には4つ、犬や猫には6つの肝臓の「区域」があります。犬の肝臓は肺の下、胃の近くにあり、肝臓区域の間に胆嚢があります。

3. 犬の肝臓の解毒プロセス
肝臓の解毒プロセスは非常に特別です。毒素は科学用語で「生体異物」と呼ばれます。肝臓はその生体異物に遭遇したことがなくてもそれを血液中から除去するのです。
ここでやっかいなことがあります。化学物質はすべて親水性のもの(水を好むもの)と親油性(脂を好むもの)とにカテゴリー分けすることができます。毒素のうち最もやっかいなのは親油性のもの。親油性の毒素は犬の脂肪細胞に閉じ込められてしまい、除去するのが難しいからです。そして犬の身体はご存知の通り大部分が水で構成されています。
例えば、何十年も前に禁止された農薬の中にはいまだに人の身体に残っているものがあります。(Guardian誌)私たちの犬の肝臓の主要な役割は、親油性の毒素を親水性に変えて腎臓が毒素を排出できるようにすることです。
1) 犬の肝臓の解毒プロセス:フェーズI
犬の肝臓が毒素に対して取る反応には主に3つの種類があり、これら3つを指してフェーズI反応と呼びます。犬の肝臓には少なくとも12種類以上の特別な酵素が存在し、これらの酵素が毒素を腎臓が排出できるものに変えています。
冒頭で触れた3つの反応を化学的には加水分解、還元、酸化の化学修飾と言います。これは、親油性毒素を分解する解毒の主要なプロセスです。簡単に説明すると、犬の肝臓に備わった酵素が、水と反応を起こす要素を毒素に加えるプロセスで、これによって毒素が親油性から親水性に変わり体外に排出しやすくなります。
酵素の働き方は毒素によって異なります。犬の肝臓は見たこともない毒素でも分解できるように、非常に「全般的な」方法で毒素を分解するよう進化してきました。多くの場合、毒素の分解の結果として、腎臓が排出可能なより毒性の低い化学化合物ができます。ただしここで注意すべきなのは、より強力な毒素が生まれてしまう場合もあるということです。そのようなケースのために、フェーズIIが存在します。
2) 犬の肝臓の解毒プロセス:フェーズII
肝臓の解毒プロセスのフェーズIIでは、毒素をより弱めるために他の化合物が加えられます。ほとんどの場合、加えられるのはアミノ酸に由来しています。アミノ酸は食べ物ならどんなものにも含まれています。(1) この理由からも、良質な食べ物を食べることが重要なのです。毒素を弱める働きをするアミノ酸が不足していると犬は効果的に解毒をすることができません。
フェーズIIのプロセスは早く進みますが、フェーズIで結果として毒性が強い化合物ができてしまうケースがあることを思い出してください。これが肝臓にダメージを与えます。肝臓の健康が大切な理由がここにあります。通常の場合でも肝臓は解毒プロセスの最中にダメージを受けることがあり、ダメージは蓄積していきます。肝臓は自らを治癒することができますが、一度に解毒する毒素が多すぎると負荷が大きくなりすぎます。
文中補足 (1): 例えばたんぱく質を多く含む肉には必須アミノが必然的に多く含まれますが、もちろん必須アミノ酸を含む食べ物は肉だけではありません。

3) コラム ~「酵素」を食事に加える?~
フェーズIの説明で犬の体内に存在する酵素に少し言及しましたが、酵素というのは体内で常に作られている、生物にもともと備わったものです。日本では、私たち科学を専門とする者とは違う考え方から「酵素を食事に摂り入れる」傾向が一般的に強いようです。これについてはいつか記事を書きたいと思っています。酵素には様々なものがあるのですが、実は外から酵素を体内に入れたとしても、犬の非常に強い胃酸の中で生き残れる酵素はほとんど存在しません。生き残れるとすれば、特別な処理の仕方をされたものだけです。酵素は身体に作らせるもの、と考えてください。ただ、酵素として市場にあるものの多くは良質な食品として捉えられるものも多いです。そのため、信頼できるものであればワンちゃんにあげること自体は良いことであると考えられます。
4. 犬の肝臓の健康
これまでお話した二つのフェーズが犬の体内で完了すれば、毒素は通常であれば変化し排出されます。しかし現代の毒素の中には身体に残り除去するのが難しいものもあります。代表的な例は農薬です。
すでにお伝えした通り、肝臓は胆汁の製造やアミノ酸のコントロールなど、他にも重要な役割を担っている臓器です。肝臓を大切にいたわり、普段からケアすることは、健康の柱としてとても重要です。
参考文献:
“’Extraordinary’ levels of pollutants found in 10km deep Mariana trench”, The Guardian. https://www.theguardian.com/environment/2017/feb/13/extraordinary-levels-of-toxic-pollution-found-in-10km-deep-mariana-trench
5. 犬の肝臓のケアに:バウンシーとクレンズスープキット
Puffy’s Cleanse Janaryでもお伝えしてきたように、クレンズ・ファスティングを行うことで、犬の肝臓をサポートし身体のお掃除を効果的に促進することができます。
犬用サプリメントバウンシープレミアムは、肝臓をはじめ重要なクレンズ臓器をケアすることを目的にデザインしたサプリメント。この記事を執筆した Mike が研究を重ねて厳選した13種類のオーガニック認証ハーブを配合しています。バウンシーにクレンズスープキットを加えることで、より効果的にクレンズを促進することができます。
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