新型コロナウイルスについてパフィーズは2度、ステートメントを出しました。2度目のステートメントから約2か月。やはりまだ先は見えませんが、これを機に、自衛のための健康管理への意識は高まったと言われています。
一方、現在のものも収束しないうちに新たなウイルスの出現が起きないという保証もなく、ワンちゃん・ネコちゃんを含め、「健康とは?」「免疫とは?」「病気の治癒とは?」が気になる方も多いことと思います。
医学の発展と生きものの身体の進化は別もの
私たちはつい、医学(や獣医学)が発展したおかげで自分たちの健康も安泰だと思いがちですが、残念ながらそうではありません。私たち人間も、ワンちゃん・ネコちゃんも、身体のつくりや働きは、1万年前からそう変わりません。近代医学の発展までは、主に身体の防御機能・回復機能と、薬草など自然の恵みによって私たちは生き残ってきたのです。
ワクチンさえあれば…
例えばワクチンさえ開発されれば、感染病に打ち勝てると思われている向きもあるようですがが、ワクチンとは「ウイルスのDNAが入っていないウイルス」を体内に注入することです。その後、体内に入ったそのDNA抜きのウイルスを検出しなければならないのは、やはり身体です。病院で処方される薬も、そうした身体の反応を促すものです。
「病気は薬でなく、身体が治す」:パフィーズのモットーのひとつ
つまり、どんなに医学が発達し薬が開発されたとしても、結局はウイルスや病原菌に打ち勝つのは身体です。パフィーズのモットーでもありますが、病気を治すのは、薬ではなく、身体です。だから「免疫」が大切なのです。

非常ベルの鳴り続ける消防署
一方で、免疫システムが機能しすぎると、身体は非常ベルの鳴り続ける消防署のようなことになってしまいます。アレルギー、リウマチ、クッシング病、アジソン病、その他の自己免疫疾患、腸の炎症に関する病気、そしてほとんどの皮膚の問題もそうです。身体を守ろうと免疫が働き過ぎた結果、こういった症状が出るのです。
では、免疫に「ちょうどよい」働きをしてもらうにはどうしたらいいのでしょう?
残念ながらその答えは、世界共通のシンプルな答えとしては、まだ完全には出されていません。「免疫学」という比較的新しい分野の学問がありますが、非常に専門的で細分化されていて、ミステリアスで複雑な学問です。
免疫には2段階あり、自然免疫と獲得免疫に分かれると言われています。自然免疫は常に身体の中をパトロールしていて、「樹状細胞」と呼ばれる細胞がしっかりと「敵」を認識できるかどうかが、まずは基本となります。免疫のメカニズムについてはまた、別の機会にお話したいと思います。
ミニコラム:「健康って、身体が頑丈なこと?」
免疫機能だけでなく、私たち生きものにとって「健康」をどう捉えるかは、変わりつつあります。たとえば、世界保健機構(WHO)は、健康を、「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」としています。
つまり「病気でない・身体が頑丈である=健康」ではない、ということです。肉体、精神、そして社会が「しあわせ」であることが健康である、としているわけです。
そしてパフィーズでは、そのために自然環境の健康は欠かせないとも考えています。気候変動危機や生物の大量絶滅は、私たちの社会や経済のシステムだけでなく、心や身体の健康でさえも、脅かすという研究結果も存在しているからです。
繁殖が原因で…
愛玩動物は特に、繁殖が原因で免疫にもともと問題のある個体が多くなっています。使役犬を別とすると、繁殖が多くの場合、大きさ・色・形などの外見上の特徴を重視しているからです。

可能性には心して
これを踏まえたアドバイスとしては、まずは自分のワンちゃん(ネコちゃんも)には、「免疫のオーバードライブの可能性を含め、繁殖により免疫機能が損なわれている可能性はあるかもしれない」という心構えを持っておこう、ということが一つ。
でも悲観的になる必要はありません。若くて元気という状態を過信せず、若いうちからケアをしてあげることはできます。ただ、どうしても何かの病気になってしまうことも、もちろんあります。そんな時は自分を責めないこと。外見を優先する商業繁殖に大きな原因があるのだということを忘れないでください。
健康な生活と生きる喜び
もう一つのアドバイスは、本当に月並みですが、健康な食事・運動・睡眠、そして彼らの楽しみや喜びを大切にすること、です。これがホリスティック(全体)療法です。

健康な食事ということに関しては、パフィーズは免疫機能の損傷も十分に想定してサプリメントを開発しています。バウンシー・アスタミアという二つの基本のサプリで健康の基礎をつくり、あとは自分のワンちゃんの体質や好みによって、ごはんの材料を考えていただけるようにしてあります。
夏の間、つい運動は不足しがちですが、家の中で工夫したり、積極的にカバーしてあげてください。完全に運動量をカバーするのは難しくても、家の中で何かを一緒にすること、時にはおやつを作ってあげたりという、別の楽しみや喜びも、心の健康には効果があるはずです。

私たちは今、予測できない天候も含め、不安定な時代に生きていると言えると思います。そんな時代だからこそ、毎日の楽しみや喜びを与えてくれる動物たちに、どんなお返しができるかをじっくりと考えてみたいと思います。
パフィーズのチャリティー活動も、そんな気持ちの一環です。「自分たち以上を考える」ことで、自分たちの周囲(社会・環境)がより良い状態になれば、結局は私たちの「しあわせ」や「健康」にも貢献するのだとパフィーズでは考えています。