
ポジティブですか?それともネガティブ?
「シニア犬(猫)」。あなたの頭に浮かぶイメージは?
この質問は、昨年のシニアウィークでもみなさまにさせていただきました。今回も記事を書いているのは共同代表 Mari です。
まずはセルフチェック。
何も考えず、パッと浮かんだイメージ(色、音、匂いかもしれません)や言葉をキャッチしてみましょう。それは、ポジティブですか?それともネガティブ?
こちらの「空気」を読んでしまう部分はあるんだろう、と
「人間の気持ちを敏感に察することに長けている犬にとって、一緒に暮らす人間がどんな風に考えているのか、人間側の気持ちで、その犬のQOL(クオリティオブライフ)が変わってきます。」
ということを昨年書いたのですが、今年はこの部分をみなさまともう少し掘り下げてみたく思います。
もともと言葉を介したコミュニケーションをする動物は人間だけです。オラウータンやチンパンジーなどの霊長類は、かなりの程度言葉を理解し使えることがわかってきたものの、主要なコミュニケーションの方法はやはり言語を介さないもの。
テレビなどで野生動物の様子を見ていると、チーターに狙われたガゼルなどが耳をピン!と立てて危険を察知していますが、人間以外の哺乳類はほとんどが、嗅覚、聴覚の他、「空気を読む」ことに、私たちの想像以上に頼っています。
シニアになると、嗅覚や聴覚はどうしても弱くなりがちなので、犬たちはより私たちの「空気」を読もうとするかもしれません。パフィーズのモデル犬月ちゃん(14歳になりました!)は、「好きなようにふるまう」と決め込んでいるようで、本当に自由気ままになりました。それでもやはり、こちらの「空気」を読んでしまう部分はあるんだろうとは思います。

免疫と深く関係している「潜在意識」
この「空気を読む」という部分をもう少し犬に特化して掘り下げてみると… 人間とずっと一緒に暮らしてきた犬は、人間の「潜在意識」を拾うことができるのではないかと思ったりします。
健康は身体だけじゃないと思って、私は3-4年前から心理学や免疫神経学などに興味を持って自分で勉強していたのですが、昨年はその延長で縁あってヒプノセラピーを勉強して、認定セラピストの資格1をいただきました。
その中で脳科学に基づいた脳の仕組みを学びましたが、潜在意識は人間の意識の90%を占めています。ヒプノセラピーとはリラックスした状態でこの潜在意識に働きかけ、その人の生き方をより楽に充実させるためのセラピーです。
「潜在意識」は「無意識」とも呼ばれますが、私たちが認識できていない部分の意識です。脳の「大脳辺縁系」と呼ばれる部分と深く関係していて、ここは自律神経などをコントロールする部分であり原始的な脳であることから、免疫と深く関係していることがわかってきています。(ストレスを感じると出るコルチゾールと関係する偏桃体はここにあります)。
犬はかなり潜在意識や集合意識を拾うのに長けているかも?
さらに、こちらは賛否両論あるセオリーですが、心理学者のユングのいう、「集合的無意識」というものがあるというセオリーもあります。その集合意識へアクセスする(してしまう?)ことで、私たちは実は色々なひらめきを得たり、逆に不安や恐れを拾ってしまう、そういうことも考えられています。
このことを学んで以来、振り返ると例えば月ちゃんはかなり潜在意識や集合意識を拾うのに長けているかも、というエピソードがいくつもあります。また、私自身も、月ちゃんに関してはそれが働いていたんだろうな、と思う出来事がいくつもあります。(そして余談ですがアニマルコミュニケーターという方々は、たぶん潜在意識のレベルで動物と自在につながることができる、ということなんだろうな、と納得しました。そしてこれは、実は人間の誰にでもある能力だとも言われています。開花するかしないか、ですね!)
カリフォルニアで、びっくりなできごと
一つだけ例をご紹介しますと、月ちゃんと最初にカリフォルニアへ渡った翌日、みんなで森へ散歩に出て、月ちゃんが大きなワンにびっくりして走っていってしまったことがありました。ものすごい俊足の月ちゃん、どちらへ行ったのかまったくわからないし、初めての場所。車からは30分以上歩いたところでした。
当時まだ推定半年くらいのパピーちゃんです。でもなぜか私の頭の中に、「駐車場」という声なのかイメージなのか、そんなものが浮かびました。かなり半信半疑だったものの、あまりにそれが確信に満ちていたので私だけ一人で駐車場まで戻ると、そこにいたのです!
この例えのように(?)、私たちは意識している以上にずっと、集合意識へアクセスしていたり、自分の愛犬と自分では意識しないところで(つまり潜在意識で)何かやり取りをしているのだろうなという気がします。そしてそういう次元では、時間や場所の制限もまた、ないと言います(いわゆる「スピリチュアル」的な考えですね)。そういえばパフィーズモデル犬(見習い卒業!)のマルくんを迎える少し前にも、「もう一頭…」という不思議な考えが何度も頭に浮かんでいました。
「お別れがこわい…」ときは時や場所を超えてつながっている感じを意識する
私の場合はもともと完全に左脳(理性や客観性をつかさどる脳)派だったため、○○学とか、脳の仕組み、などを勉強することでそれが理屈として少し理解できたわけですが… それ以来、先代犬のパフィーともまた距離が近くなった気がします。これは、シニアの子と暮らす飼い主の最大の恐れである「いなくなったら…」が少し軽く感じられる、救いにもなる考えなので、証明されている、されていないを待つまでもなく、腑に落ちたら受け入れる・取り入れる、という風にしています。とにかく自分と愛犬がハッピーに、です!

お客様のワンたちで、シニアでQOLが高く長寿な子たちに共通しているのは…
お客様のワンたちで、シニアでQOLが高く長寿な子たちに共通しているのは、シニアであること、老いて弱ってくる部分があること、などを優しく受け止め、毎日を大切にできるだけゆったりと構えている飼い主さんであることに気づきました。
シニアになると、いろいろと心配です。病院にも行きます。お薬も飲むかもしれません。そして、いつお別れが来るのかもわかりません。その時の自分がどんな気持ちになるのか、それが怖い、という方もいらっしゃいます。
ただ、思考は現実化するという言葉どおり、あまり恐れ・不安にフォーカスしていると、愛犬がそれを拾ってしまう、そんな可能性もあるのかもしれません。どこか深いところでつながっている愛しいシニアの愛犬に飼い主としてしてあげられる最大のことは、もしかしたら、「ゆったり、優しく」ポジティブなイメージを保ちそんな波動を送ることなのかもしれないな、と思っています。
ごはんは機能だけじゃない、そこに入る気持ちのエネルギーを大切に
そして、ごはんというのはそんな気持ちを愛犬に直接手渡すとてもいい機会です。だから、パフィーズでも手作業の時にはとにかく丁寧に、ワンちゃんネコちゃんの健康を祈って、をモットーにしています。作り手のエネルギーが入ると考えているからです。
だから、食べ物を機能だけで見ることは、私たちはしていません。ニンジンはビタミンが○○で、とか、「温め」「冷やす」食材、などは、役立つ参考情報。でもその通りできなくてもしなくても大丈夫。その食べ物に飼い主さんの気持ち(=エネルギー)が入っているならば、それを心配しすぎるより、ずっと愛犬の免疫には好影響なんだろうと思います。また、すべての人が細やかなケアをしてあげる時間がないことも、自分たちもそうですから十分わかっています。それを補うためのサプリでもあります。そして、サプリや食事方法も、落ち着いて「これがいいんだ」と自分にピンとくる(愛犬とつながっているという前提で)ものなら、効果も倍増なんだろうなと。「お守りサプリ」とお客様からよく言っていただきますが、それが正解なのかも、と教えていただいている今日このごろです。

おわりに… すぐできる、簡単エクササイズ
最後に、具体的にすぐできる、潜在意識を使ったエクササイズを紹介します。愛犬・愛猫のシニア期について心配なことがあれば、一つ一つそれを思い浮かべるか、数が多ければ書いてみてください。動き、歯の状態、目、認・知能力、などなど。そして一つ一つそれを手放してみましょう。例えば、風船につけて飛ばす、川に草の船を浮かべて流す、など、好きな方法で大丈夫です。そうしたら、過去でも現在でもない今の愛犬・愛猫の姿をもう一度イメージして、心を静かにしてみてください。

そこで何か「こうしてあげようかな」ということを思いついたら、それがしてあげるとよいことです!それはもしかすると、「えーこれ?どうして?」だったりするかもしれません。愛犬愛猫には関係ない自分のことであるかもしれません。それは彼らから私たちへのプレゼント、「充電してね、明日からまたよろしくね」というメッセージかもしれません。心の(潜在意識の)声を聞くことを、今日から始めて一緒にシニアのニーズをキャッチしましょう。自分の愛犬なら、本当は私たちもアニマルコミュニケーターに十分なれるはずなのです。
- 一般社団法人日本臨床ヒプノセラピスト協会(JBCH:Japan Board of Clinical Hypnotherapists)の認定セラピスト資格。ヒプノセラピーとは、「『催眠』と呼ばれる変性意識状態を利用して潜在意識に働きかけ、心因性の問題の低減、解消を図るセラピーです。」JBCHサイトより。
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